つみをの生活

つみを、奇怪生物として。


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つみをが奇怪生物としてデビューして早三年、これまで奇怪生物の第一人者として奇怪生物の第一線で走り続けてきた、つみを。
最近はオリジナルシールやオリジナルノート、川で拾った石に落書きしただけの書なども販売、新たなる次元へと道を拓いてきた。
そんなつみをに、今改めて『奇怪生物』であることと向き合ってもらった。
可愛さのなかに秘めた狂気、狂気を超えた先にある可笑しみ、より奇怪生物として知名度を拡げていくために、どう歩みを進めていくか。
つみをの言葉から見えてきたのは、これからを幸せに生きるためのヒントだった。

ご機嫌にロウをたらすつみを

つみをの流儀

「地球の鼓動を感じたいんす」
撮影中に投げ掛けられた「なんでくつ下なの?」「靴履かないの?」「靴って知らないの?バカなの?」という言葉に対して、そう真剣に答えるつみを。
「人間って当たり前に靴履いてたりするけど、動物って靴とか履いてないわけで。人間ってそもそも動物なわけで。動物って本能のままに生きてるし、大地を力強く踏みしめ生きている。そこで地球からのパワーももらってると思うんだよね。でも、つみをは人間としての知性も誇示していきたい。そこから導き出されたつみをの解答がくつ下。くつ下行動。動物と人間の中間をとったってことやな。だからくつ下は何十足も持ってるさ。時には8日間同じものを履いてたりもするけどね笑」
最後はそういたづらっぽく笑いながら語ったつみを。そこには彼なりの流儀があったのだ。「くつ下の色も初めは黒ばかりだったのも理由があってさ。なぜだかわかるかい?知りたいかい?知りたい?ほんとに知りたい?ほんとにほんとに知りたい?うん、絶対に教えないけど」と続ける。
「教えるのは簡単さ。答えがすぐにわかるからね。でもすべて教えたら考えないだろ?君は頭を使って考えないだろ?自分の頭で考える、これが1番大事なんだ。ちなみに黒色のくつ下が多かったのはイラスト描くのが楽だったからだ」
突き放しながらも最後には答えをそっと教えるつみを。そんなところが彼の絶えることない人気の秘訣か。

大繩を使って全身を鍛えるつみを

奇怪生物ってつまりなんなの?

尽きることない情熱で今も奇怪生物道を突き進むつみを。奇怪生物は唯一無二の存在がゆえに常に孤独との闘いであろう。不粋な質問と知りつつあえて『奇怪生物とは何か?』とストレートにぶつけてみた。つみをはめんどくせえなという表情を隠すことなくキレ気味で答えてくれた。
「だから言ったじゃん。考えろよ。自分でまず考えるんだ。すぐに聞くなよ。そういうとこだぞ。お前に友達や恋人、作りすぎたおかずをおすそ分けしてくれる隣人がいないのはそういうとこだぞ。そういうところから幸せは逃げてるんだ!そういうとこを直して幸せをつかみ取りにいけよ!!おらぁ!!奇怪生物とは一言で言えば『混沌』だね。つみをといえばシュールな内容のイラストだと思うけどそれがまさに混沌さ。どこが面白いの?と聞かれてもつみを自身も説明できない。でも面白いんじゃないの?という閃きを大事にして、そのイメージをコツコツ描いてイラストにし具現化しているだけだ。つまりつみを自身の頭の中も混沌としているんだ。混沌というかここ三年パニックを起こしている。毎日がパニックだ。こんなこと毎日やってて人生大丈夫?と心配になる。つらい…つらいよぉ…幸せってなんなんだよ…助けて…誰か助けてください……」
そう言い終えると「ああああああああああああああああー!!」とつみをは大声で不気味な奇声をあげた。心が不安定になったときそうしてストレスを解放するそうだ。目の前にあるペットボトルのカルピスソーダを手に取り一気に飲み干すつみを。「げふううぅぅぅぅぅぅぅ!」という下品で薄汚いゲップ音が静寂の中、むなしく響き渡った。
「取り乱してすいません。とにかくつみをは奇怪生物としてこれからも続けていこうと思うんです。どうせ他にやることないし。だからこれからも温かく見守ってくれるとうれしいんだなぼくは」
最後は山下清のモノマネ少し入れてきたか?という言い方で締めくくったつみを。そう言い終えるとおもむろに足先をつかんでくつ下を脱ぎ、その匂いをかいだ。

「16日目の匂いは香ばしいね。プレゼントしようかい?」


あっはっはっはっ!そう言うとつみをは笑いながらふらふらと立ち去っていった。そして出口付近で振り返り、真顔でこう言い放った。

「このインタビューの出演料、必ず振り込んでくださいよ」

ガールズコレクションのモデル審査に応募しようか考えてるつみを

つみをの戦いはまだ終わることのない。むしろまだ始まったばかりなのだ。いつまで彼は奇怪生物を続けていくのだろう。見てる方が心配だ。ただつみをならいずれなにかをやってくれるに違いない。その時がきたら馬鹿にして見てたことを謝罪したい。 了